あなたは、誰…?

引越し業を何年もやっていると怖い体験をする事があります。
僕は霊感はありませんので、ゴースト的な話ではありません。
「ニンゲン」の怖さを体験した事が何度かあるので、
シリーズでお届けしたいと思います!本当にあったお話です。
今から約5年前の3月、引越し業界が最も忙しいある日の出来事です。
僕は知り合い経由で依頼されたA子さん宅の引越しを行う為、自宅マンションへと向かいました。到着すると僕の他にもマンション前には2台の引越し車両が停まっており、作業が行われていました。
「少しだけ早く着いたな、コーヒーでも飲もう」そう思い、マンション前方にある自販機に向かいました。
自販機の横にはタバコをふかしてマンションを見上げる60代位の男性が居ました。「今日は引越しが多いねー。兄ちゃんも業者だろ?出て行くばっかで、次が決まってない部屋もあるからさ。ほんと困っちゃうよ〜笑」そう笑いながら声を掛けられ、あぁこのマンションの大家さんか、と挨拶程度の会話を交わしました。
車内でコーヒーを飲み、早速作業へ。荷物を運び出している時、エレベーター前で先程の大家さんに会い「ご苦労さまー!」と声を掛けてもらいました。30分ほどで全ての荷物を積み込み、お部屋で最終確認をしている時にインターフォンが鳴りました。
『こんにちは!本当にお世話になりました。』というA子さんの声が玄関から聞こえてきました。貨物の最終確認が終わり玄関へ向かうと、ご年配の女性とA子さんが談笑していました。その女性に「どうも。大家です。もう積み込みは終わりました?」と聞かれ、「こんにちは!先ほど男性の大家さんにはご挨拶させていただいたんですが」と何気なく言うと、
『誰ですって?!大家は私一人ですけど』
と返答が。あれ???と思っていると、A子さんが『もしかして…』と人物の特徴を言いました。A子さんが話した人物の特徴は、先ほど挨拶を交わした男性そのものでした。
実はA子さん、勤めていたファミレスの常連から付きまといを受け、警察沙汰になっていたそう。今回はそんな背景からの引越しで、本物の女性大家さんもA子さんに協力をしていた様です。すぐさまA子さんは警察に通報し事情を説明。表の自販機とエレベーター前で遭遇した事も私から警官へ伝えました。「気さくに声を掛けてくれるおじさん」そんな印象のあの人物は、迷惑極まりないつきまとい犯だったのです。
幸い、僕が保有しているトラックは箱車という荷台にロックを掛けられるトラックだったので、貨物への接触や被害はありませんでした。これが幌車だったとしたら…。
僕はあの一件以来、現場に不審人物はいないか無意識に周囲を見渡す様になりました。周囲に溶け込んでなりすます、そんなニンゲンの怖さを思い知った出来事でした。
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